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[ 夕暮れ ]

日本では見ることが少なくなった光景がある。
それは夕方の空にたなびく煙。

イタリアの田舎ではまだそんな風景が残っている。

冬から春へと季節が変わろうとするイタリア、トスカーナ地方の3月。
午後5時、空を赤く染めたいた夕陽が、山の彼方に落ちてゆき
日中の暖かで和らいだ空気と入れかわるように
冷気が静かに山あいに降りてきた。

この道の先に一軒の家がある。
煙突からは白い煙が、暮れかけた空に溶けている。
おそらく、家のなかでは母親が夕餉の支度をし、そのかたわらで
子供たちが料理の香りに幸せな顔をしていることだろう。
そして仕事を終え、家路につく夫は煙を見て
その日の安らぎを覚えるのだろう。

人は落胆したり、悲しんだり、苦しんだり、そういったどうしようもない状況も人と人とのなかで慰められていく。

寒ければ寒いほど人は温かさを求める。
孤独であればあるほど人は人を恋しく思う。

夕暮れの煙に人の心の風景を感じた。


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