1.保温やマッサージで肩の緊張をほぐし、血行を促すべし
長時間、同じ姿勢でデスクワークをしたり、車の運転をしているとよく起こる「肩こり」。筋肉が緊張して、血液の循環が悪くなるなめに起こります。
治療法としては、温湿布やカイロなどで肩を温める、マッサージをする、肩や首を軽く回す、ツボを押す、などの方法がおすすめです。筋肉の緊張をほぐして血液の循環を促し、血液とともに新鮮な酸素や栄養素が十分にいきわたるようにします。
ポイントは、いずれの手当ても「肩がこったな」と思ったら早めに行こうと。肩こりもひどくなると、簡単な手当てでなかなか効かなくなったり、頭痛や吐き気、不眠など、別の症状を伴う場合もあるからです。
2.肩がこる前に姿勢、服装、寝具で予防すべし
肩こりの原因は主に生活習慣。そのため暮らし方に気をつければ、かなり予防することができます。
【姿勢】人間の首や肩には重い頭がのっているため、どちらかに傾けば、それだけ首や肩の筋肉に無理がかかります。背すじをすっと伸ばして、頭の重みが偏ったかかり方をしないように気をつけましょう。
肩こりになりやすい姿勢
● 前かがみになる
● そっくり返る
● 足を組んで座る
● イスの背もたれに寄りかかり、浅く腰かける
● 腹ばいで本を読む
【服装】軽くて暖かい服を着ることも大切です。重いコートはそれだけで肩こりの原因になることも。また、薄着をしていると体が冷えて肩こりを起こしやすくなります。
【入浴】風呂はシャワーですませずに、肩まで湯船につかりましょう。入浴後、体が温まったときに、肩を回すなどの体操を習慣づけると、さらに効果が高まります。
【睡眠】体に合った枕を選ぶことも必要です。高すぎる枕は、前かがみでいるのと同じことになり、低すぎる枕はそっくり返っているのと同じことになるからです。
3.たかが肩こりと侮るなかれ。うつ病の可能性も
ストレスの蓄積やうつ病など、肩こりは、心に問題が潜んでいることもあります。自律神経のバランスが崩れて、活動する神経「交感神経」優位の状態が続き、血管を収縮させて、肩こりを招きやすくするのです。
こんなときにおすすめなのが腹式呼吸です。腹式呼吸をしていると、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」がはたらき、自然に心が落ち着いてくるものです。
湯船につかりながら腹式呼吸を行うと、よりリラックスできるうえに、保温作用もあるので、ダブルの効果が期待できます。ぜひお試しを。
【腹式呼吸のやり方】
楽な姿勢で、口から細く長く息を吐き、腹をへこませる。すべて出し切ったら、今度は鼻から自然に吸い込み、腹をふくらませる。
※引用 阿部聡コラム はつらつVOL.22 平成17年11月10日発行 第27巻第6号 (c)保健同人社 |