1.朝、起きぬけに2〜3杯の冷水を飲むべし
まず「出す習慣」をつけることから始めましょう。朝、起きたらすぐに冷たい水を2〜3杯飲んでみてください。胃に刺激を与えて、胃結腸反射が断続的に起こり、便が直腸に押し出されて、便意をもよおしやすくなります。起きぬけの水は、夜間、水分を吸収されて硬くなった便を、排出させやすくなる効果もあります。
また、朝食をとることも大切です。胃に食べ物が入ると、やはり胃結腸反射が起こり、便意を感じやすくなるからです。胃結腸反射は朝、昼、晩どの食事でも起こりますが、自律神経のはたらきで、最も強く起こるのが朝なのです。
食欲がない人は、牛乳とくだものでもかまいません。何かしら胃に入れるようにしてみましょう。
2.1日2回は和食に、ご飯は未精製の胚芽米にすべし
便秘解消には食事の内容も大きくかかわってきます。特に欠かせないのが食物繊維です。消化されない食物繊維は、腸を刺激してぜん動運動を促進し、排便を促す効果があります。また、便の材料となって便の量を増やしたり、水分を吸収して便を軟らかくして、排便をスムーズにする作用もあります。腸内の善玉菌のエサとなって善玉菌を殖やし、腸内環境を改善し、便通を整える効果も期待できます。
このように食物繊維は、便秘解消に欠かせない成分ですが、私たちの摂取量は、食生活の欧米化などによってかなり減少しています。そこで、食物繊維を無理なく十分にとる方法をあげてみました。
(1)毎食とる「主食」を、食物繊維が多い「胚芽米」や「玄米」にする。
(2)食生活を、野菜、イモ、海藻、豆など、食物繊維が豊富な「和食中心」に換える。
(3)毎日、おやつや朝食に、食物繊維の多い「果物」をとる。
なお、腸内環境を整え、便通をよくする食品としては、ヨーグルトもおすすめです。おやつや朝食に加えてみてはいかがでしょうか。
3.3つの運動で押し出す力と腸を鍛えるべし
【腹筋を鍛える】
まず、便を押し出す力を強くするために腹筋を鍛えます。腰を痛めにくく、腹筋が弱い人でも、無理なく始められる腹筋運動です。
(1)床に寝て、ヘソを見るようなつもりで肩を起こし、15秒間停止。
もとに戻す。
(2)これを1日2回10セットずつ行う。
【日ごろからよく歩く】
軽い運動を日常的に行うことも効果的。全身を動かすことで、弱った腸のぜん動運動を活発にし、便意を感じやすくします。
【ストレッチで腸を刺激】
立って後屈したり、寝て腰の下にクッションを置いたりして、おなかの筋肉を十分に伸ばしてみましょう。これを毎日、朝晩5分間ずつ行います。
※引用 阿部聡コラム はつらつVOL.21 平成17年9月10日発行 第27巻第5号 (c)保健同人社 |