1.寝る前に腹式呼吸を行うべし
眠りにつくためにはリラックスしているときにはたらく「副交感神経」を優位にする必要がありますが、これを意識的にしようと思っても難しいもの。そこで、副交感神経が自然に優位になる腹式呼吸を1分間行ってみましょう。就寝30分〜1時間前がおすすめです。まず、腹をへこませて口からすべて息を吐き出して、次に腹をふくらませながら鼻から吸い込みます。
また、腹式呼吸をしているとアルファ波が現れます。アルファ波とはリラックスしているときに現れる脳波のこと。腹式呼吸にはアルファ波を引き出して、心身を落ちつかせ、快眠に導く効果もあります。
2.朝起きたら日光を浴びるべし
現代人に多い不眠のひとつが、早い時間に寝られない、寝る時間がだんだん遅くなるという症状です。朝が遅い人や、あまり外出しないで家にこもっている人、夜中まで明るい照明の下で生活している人などによく見られます。
解決法は、朝の日光をたっぷり浴びること。朝の強い光には、私たちの体内時計を調整して、就寝時間を自然に早めてくれる効果があります。
まず、日光を30分以上浴びるようにしましょう。窓から1m以上離れると光は大きく減少するので、窓際で朝食をとるなどの工夫も必要です。一駅分、外を歩いて通勤するのもおすすめです。
3.就寝30分前風呂に入るべし
人間の体は、体温が下がり始めたときに、眠気を感じやすくなります。風呂に入ると一時的に体温が上がり、しばらくするとその発汗作用によって体温が下がっていくので、これを利用しましょう。
寝る30分〜1時間前に風呂にゆっくり入ります。出てきて10〜15分ほどで体温が下がり始めるので、このとき寝床に入ります。風呂は、ややぬるめのほうが、体温を上げすぎず、早く下げるのでおすすめです。また、寝るためには興奮状態をとき、リラックスすることが必要ですが、ぬるめの風呂には、副交感神経を優位にして、緊張感を取り除く効果もあります。
※引用 阿部聡コラム はつらつVOL.19 平成17年5月10日発行 第27巻第3号 (c)保健同人社 |