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仕事も恋も、大切なのは「迷いを断ち切る力」といいますが、その力を磨くにはいったいどうすればいいのでしょうか。



仕事、恋、結婚・・・人生で迷ったときに必要になってくるのが決断する力です。でも「グズ脳」の人は、問題と向き合うのを避けています。「グズ脳」と決別して、決断できる女になりましょう。

もっと仕事で力を発揮したいし、いつかは結婚もしたい、旅行もしたいし、夢もかなえたい・・女性には「やりたいこと」がたくさんあります。でも、あれもこれもと欲張りすぎて、ひとつの道を選べなくなってはいませんか? グズグズしているとすぐに年月がたって、迷ったまま人生の岐路を迎えることになってしまいます。
そうした“決められない脳”“向き合えない脳”のことを「グズ脳」と呼びます。最近はこの「グズ脳」の人が増えているといいますが、いったい、なぜなのでしょうか。

グズ脳の人は、『こうでなければならない』という意識が強く、自分が勝手に決めたワクからなかなか外へ出ようとしません。自分の感情よりも社会的常識やルールを優先し、そうすることに脳が慣れてしまっているのです。だから、いつも自分の大切な問題を棚上げしてしまいます。また、忙しさなどを理由に、その問題に向き合うのを避けているのです。それでなくとも、今の女性はみな、目の前のことを片づけるのに忙しく、先のことを考える余裕がないもの。それで、いざ人生の問題に直面したときに自分で決められずに迷ってしまうわけです。

しかし、そんな女性ほど、自分にとっていちばん大切なものを選びとる力を養わなくてはなりません。その決断力を磨くには、いったいどうすればいいのでしょうか。

本来、女性は優れた決断能力を持っています。男性は理屈で割り切れないとなかなか判断を下せないものですが、女性は理屈抜きで感情的判断を下せるのです。ただ、女性の脳は遠い未来の状況を予測して決断を下すのが苦手な傾向があります。おそらく狩猟採集生活時代に培われた能力なのでしょう。目の前の木の実をとって料理するのは得意でも、山の向こうのいつとれるかわからない獲物のために、戦略を立てたり決断を下したりすることは苦手なのです。ですから、女性がより決断力をつけるには、日ごろから長期的なビジョンに立ってモノゴトを考えるクセをつけることが大切です。

つまり、自分が何を目指し、どんな女になりたいのか、しっかりとした目標や展望をもつことが大事なのです。自分の未来像がきちんと描けていれば、より判断基準が明確になり、自分によりよい決断を下せるようになります。「また、自分の未来像をクリアにするには、『自分が本当に求めている幸せ』とは何か、脳の本音に耳を澄ますことです。脳にとっての『幸せ』は大きくふたつあります。ひとつは、『もっともっと』と成功を求める飽くなき欲求。人をはねつけてでも幸せになろうとするエネルギーです。これは脳のドーパミンというホルモンによって生み出されます。もうひとつは、『ほんわか』と今の状態に充足感を感じられるような幸せ。これはセロトニンというホルモンによって生み出される、人を集めるエネルギーです。脳の本音の部分でこのどちらかを求めているのか、じっくり考えてみるといいでしょう。

最後にもうひとつ大切なのは「欲張らないこと」です。何かを選ぶということは、何かを捨てるということ。自分の求める幸せの形が見えていれば、今の自分に何が必要で何が必要でないかを決めることができます。何を捨てれば幸せを得られるかが見えてくるのです。その“捨てる能力”が、きっとあなたの未来を切り拓いてくれることでしょう。

※引用 阿部聡インタビュー記事 美的 2006年1月号 P188 (c)株式会社小学館




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