解離性大動脈瘤はいまだに大変難しい病気の一つです。
さぞかしお父様のご容態、ご心配だと思います。
解離性大動脈瘤の難しさは、まずその病気自体が致死率がかなりあるということ、また、手術中に大出血を起こし、そのためお父様のように手術はうまくいっても、心臓が一時的に止まってしまい、結果として脳やその他の重要な臓器に血液が運ばれない時間があることがあげられます。
お父様の場合、動脈瘤破裂自体からは助かったものの、手術中の心停止による低酸素のための重篤な状態だと思います。
低酸素になると、脳は腫れてしまい、結果として最悪の場合は脳死や植物状態となることもあります。それに対して、低体温やバルビツレートという一種の麻酔薬(痙攣止めでもある)を使って、いわば人工的な冬眠に近い状況で、脳の腫れを抑える治療を行います。
お父様の場合は、人工呼吸器から外れて自力で呼吸されているようですから、かなりな割合で、意識が回復するのではと考えます。また、まだ一ヶ月ですから、そのような治療をした場合、いわゆる冬眠状態から元に戻るのはまだ時間がかかります。
ですから、もう少し時間を見なければなんともいえません。とはいうものの、自力で呼吸ができると言うのは希望が持てるサインではあります。
ただし、やはりその場合でも後遺症は厳しいものを予想はしなくてはならないでしょう。
ご心配に対してのお答えにならないのが残念ですが、今しばらくじっと時間を待つしかないのではと思います。どうかあせらず、看病してあげてください。 |