ご家族がこういった状況になると本当に大変だと思います。
心中お察し申し上げます。どうか、ご自身のこともお気遣いください。
心肺停止の後に蘇生された脳は、一時的に酸素の供給が絶たれており、低酸素脳症と言う状態になります。軽いものは、いわゆる高山病のひどいようなものでなんでもないのですが、お父様のように重症の場合、意識が出てこないと言う大変な症状となります。
急性期の治療はすでに終了されているわけで、今は慢性期の治療だと思います。
このような慢性期に関して我々医療側が提供できるものはかなり少なくなってしまいます。
リハビリを主体とする治療だと思います。
まれに、LOW T3 症候群と言って、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気の後、体が反応性に甲状腺ホルモンを低下させることがあります。これは、体全体の代謝を低下させることで急場をしのいでいくと言う面白いシステムです。ところが、急性期をすぎても甲状腺ホルモンが元に戻ってこずに、意識がぼやっとしたりあるいは意識がなかったりする方がいます。
恐らく、お父様の場合は主治医の先生にちゃんとチェックしていただいていると思いますので、このことは気になさらないでいいと思います。
で、ここからはまったくの戯言だと思って聞いてください。
僕がまだ大学病院にいた頃、脳腫瘍で手術をしたおじいちゃんがいらっしゃいました。かなり厳しい状況でしたので、手術は成功したものの、術後肺炎を起こしてしまいました。
抗生物質をいくら変えても、どんな治療をしても、肺炎は治りませんでした。同時に意識もどんどん落ちていきました。
ご自身の免疫力の低下が原因と考えられました。でも、もはや、僕らには何もするすべがありませんでした。
そんなある日、みんなで温泉へ慰安旅行へ行きました。(我々にも休息は必要ですからね)
そこで、足の裏のつぼ押し棒が売っていました。何の気なしに買ってみて、自分で足の裏を刺激してみてびっくり!痛いのなんのって。しかも、いい加減なわりには、意外と書いてあるツボと症状が一致しました。
で、こっそりと翌日から回診時におじいちゃんの足のツボを押してみました。すごく恥ずかしかったのですが、看護婦の反応はまったく予想外でした。
「あら、先生。あたしたちがやってもいいわよ」
どうやら、こういったものに抵抗があったのは、我々医者だけだったようです。
後輩には、西洋医学ではもはややりつくしたのだから、後は東洋医学だよとかなんとか言いくるめてやって見ました。
結果は、その患者さんに関しては、肺炎はなぜか治りました。少しは意識も出てきました。
ただ、残念なことに、結局は長い入院の後お亡くなりになってしまいました。
その後、いろんな患者さんに僕のいた病院ではやってみました。
効果は人それぞれでした。
このお話をどう解釈されるかは自由です。
ただ、さすってあげるだけでもいいと思います。西洋医学として何もできないのであれば、何かをしてあげるのはいいことだと思います。
ましてや、つぼを押しても何の副作用もありませんから。
ただし、健康食品の一部には肝臓の機能を悪化させたりすることがあるので、ちゃんと主治医の先生とご相談ください。
では、お大事に。そして、ご自身もお気をつけください。 |