先日、英国の発表で「日本人での癌発生にCTやX線検査が影響している」という報道があり、それで心配になられたのだと思います。
統計というのはそもそもマジックというかトリックに近いものです。
報告は全がん患者と日本全体の放射線の使用量を比較したものです。癌患者数と放射線検査の数を比較していったというものです。個々のがん患者さんについて調べたデータではないということです。しかも、放射線を使った検査によって発見された癌や疾病のことには触れられていません。
言い換えれば、検査でわが国は早期に癌が発見され、そのために放射線の使用量も多くなっているとも読めるわけです。他国では保険制度の関係もあり、多くの手遅れになったがん患者が大勢いるとも読めるわけです。
勿論、むやみやたらと検査をするのは良くないことです。ただ、お子さんの場合、もうすでに8年もすぎていることや、もしそのときに検査をせずに頭の中に出血が起こったかどうかを判定できずにいたとしたら・・・・・もしそれで頭の中に出血が起こっていて(勿論実際は違ったわけですが)手遅れになったとしたら・・・・
まずはその程度の検査回数なら問題はないと思います。
さて、どんな医療行為、検査もリスクとメリットを天秤にかけて選択していくものです。どちらを選択するかは、医療スタッフとよく相談して、そして互いにその責任を分担する社会になってきました。
ではどうしたらよいのでしょう。
これは、普段から「かかりつけ」の先生を見つけておくしかありません。
ちゃんと話を聞いてくれる、ちゃんと病気を当ててきっちり治してくれる、そんな先生を確保しておいたほうがいいでしょうね。そのためには、お互いに人間と人間として付き合えるかどうかということがポイントとなってきます。
そして、その先生を通じていろんな相談をする(もっとも、そういったことが時間的に聞きづらいだろうからこのWebを作ったのですが)事が大切です。
実は、多くの場合そういった良い先生は患者さんを選ぶのもうまい先生です。一筋縄ではいかない先生です。自分と合わない患者さん(たとえば、被害者意識の強い患者さん)をうまーく自分のところへは来ない様にする「すべ」を持っています。
ですから、評判が良い先生にかかったけれど自分とそりが合わなかったということが、ほかの医者や病院を変えてもしょっちゅう起こるようであれば、ひょっとしたら患者さんの方にもなにか問題があるのかもしれませんね。
おっと、話を元に戻しましょう。放射線検査をうけても、現在の日本の基準から考えれば、まず安全といえると思います。
むしろ、欧米ではその検査をしないがために見逃されたケースが多々あるということ、また、保険に加入していなくて医療サービス自体を受けることができなかったり、かなりの数の患者さんは病院にも行けないことも知って置いてください。
わが国の医療水準は悪くないですよ。
お大事に。
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